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29.民意を反映させる手段に   住民投票

行政や議会の鈍い動きに対応

 市町村合併に対する関心がここにきて急激に高まっている。
 この地方でも和寒町と剣淵町で議会による市町村合併問題調査特別員会が立ち上がろうとしている。朝日町でも似たような議員の組織が出来上がっている。
 さらには一歩進んで、和寒町では内容の住民説明会まで行っている。
 士別市は選挙があったためか、こういった動きは鈍かったが、正副議長、委員会などが決まれば、合併問題について、見過ごしていくわけにはいかなくなるだろう。
 今回はこの議会側ではなく、住民側からの動きのひとつとして「住民投票」を見てみよう。
 合併特例法の中に市町村長に合併協議会の設置を直接請求(せいきゅう)できる住民発議制度が新たに設置されている。
 これは住民が合併を望んでも首長や議会が消極的で慎重過ぎて、ことが先に進まない場合、住民自ら合併協議会を設置しなさいと要求できるものである。
 もちろんこのためには住民側から次の条件が必要だ。
 住民が有権者の50分の1以上の署名を集めれば、法定協議会の設置を要求できる。議会がこれを拒んでも、今度は有権者の6分の1以上の署名で協議会設置の是非を問う住民投票が可能となる。
 あるいは自治体が独自の条例を設ける例もある。
 秋田県岩城(いわき)町が9月に行った「秋田市と周辺2町」と「本荘市と周辺6町」のどちらに合併するかの選択で、18歳以上の未成年者が参加した住民投票を行ったこともその例だ。投票率は80%を超え、高い関心を示した。
 住民投票はいわば直接民主制の最たるものだが、ところが地方自治は住民投票に法的根拠を与えてはいず、議会と考え方が相反した場合には、事をどのように進めていくかの難題を抱え込むことになる。
 とはいえ合併は住民の意向が最優先される課題である。住民投票が出した民意の意思表示を軽視することはできないはずである。
 道内ではまだこの投票はないが、全国的には市民住民投票条例などを設置して、合併への是非を問う動きも増えてきた。
  合併に関する動きが鈍いといわれている北海道。行政や議会がぼんやりしていても、住民の声を直接、議会などに反映させる方法はあるのである。 


メモ

 滋賀県米原町は平成14年1月18日の議会臨時会において、「米原町の合併についての意思を問う住民投票条例」を可決した。
 参考にその住民投票条例を紹介する。
 
 1 基本理念
 町民の皆さんの将来生活にとって大きな影響を及ぼす合併問題について、本町においては地理的条件や住民の生活基盤の違いから様々な意見があり、そのパターンの選択にあたっては、町民の意思を確認し、もって民意を反映した選択をすることにより、将来の住民の福祉向上に資することを目的とする。

 2 投票資格者
 投票資格者は、米原町議会議員および長の選挙権を有する者、および20歳以上の永住外国人で引き続き3ヶ月以上米原町に住所を有する者のうち投票資格を得るための申請を行った者とする。
 これは、国会等で議論されている参政権の問題に言及するものではなく、地域社会を構成する「住民」として、合併問題という地域課題について、投票資格を与えるものである。

 3 住民投票の形式
 複数の合併パターンからの選択方式とする。

 4 住民投票の成立要件
 投票率が2分の1を超えた場合に限り当該住民投票が成立するものとし、投票が成立しない場合においては、開票を行わないものとする。

 5 住民投票結果の尊重
 町長は住民投票の結果について、尊重しなければならないものとする。

 6 条例の施行日等
公布の日から施行し、投票日後90日を経過した日に失効する。