士別市内でトレッキング〔山麓(さんろく)歩き〕を愛好する仲間たちの山行記を連載します。市内を含め、この近郊には人間がいまだ足を踏み込んだことのない未踏地もあり、自然の魅力がいっぱいです。そんな自然の再発見を楽しめれば、と愛好者たちは今日もスノーシューズを雪跡に残して、前進しています。連載は随時です。

  道北日報
ヘッドライン


01 乙部山―1
02 乙部山―2
03 日向越冬白鳥
04 無名山―1
05 無名山―2
06 丸山―1
07 丸山―2
08 水道山―1
09 水道山―2
10 小平蘂岳―1
11 小平蘂岳―2
12 天塩岳―1
13 天塩岳―2
14 天塩岳―3
15 於鬼頭岳―1
16 於鬼頭岳―2
17 於鬼頭岳―3

冬の天塩岳―2  ついに念願の冬に到達

 ふたつ目のテント場から少し進んだところの左の急斜面から登り始めることにする。最初の斜面への取り付きはとても急で、10mほど苦労して登ったと思ったら、ズルズルと滑り落ちてしまう。3人で雪を固めながらキックターン(180度の回転)を繰り返し、ジグザグに斜めに着実に登る。

 7時を回ると、回りもほんのり明るくなり始める。予想以上の急斜面に、Nさんのシールは悲鳴をあげ外れてしまうが、このようになることを予想したのか、持参したガムテープで応急処置をして再び歩き始める。

 それにしても厳しい斜面だ。僅か1.3キロの距離で標高差600mを一気に登らなければならないのだから…。

 7時50分。朝日が昇り、まぶしい太陽が輝きを増す。急斜面の向かい側にチトカニウシ山が見える。去年3月、あの山から天塩岳を見たものだ。
 8時30分。歩き始めて3時間半。標高1,050m、天塩岳の稜線がようやく顔を出した。
どこまでも澄み切った青い空と真っ白な雪。「もう少しだ、頑張れ」と自分に言い聞かせるように一歩一歩前に進む。

 9時20分。標高も1260mまで登り、ようやく稜線に出た。右手に天塩岳、左手に大雪の山々を見ながらの稜線歩きだ。眩しい太陽をいっぱい浴びて、真っ白い雪の中をひたすら歩く。この稜線歩きも山頂近くのピークを登ると頂上だ。しかし、距離にして2キロはあるだろう。「腹が減ってはいくさができぬ」と、休憩して疲れた身体におにぎりを放り込む。
 休憩を取り、一息ついたところでまた歩き始める。小さくしか見えなかった天塩岳が、だんだん大きく近くなる。頂上直下の急斜面を登りきると頂上だ。最後の力を振り絞って足を進める。

 稜線歩きから1時間半。午前11時、ヘッドランプの明かりを頼りに歩き始めて6時間。ついに念願の冬の天塩岳に登ったのだ。

 この冬一番と思われるお天気に恵まれ、遠くの山々まではっきり見える。北のほうを見ると岩尾内湖。南に視線を移すと旭岳や北鎮岳を始めとする、大雪の山々がデンと鎮座している。(文責・写真/幸)
(写真=本峰を見ながら稜線を行く)

【今回の行程】

 行き先 天塩岳1557・6m(渚滑コース)
 標高差 997m(累積標高差1037m)
 距離 片道7・1km
 時間 登り6時間、下り2時間半
 道具 スキー3人