連載-04 和寒町交流施設「ひだまり」

 厳しい厳しいと叫ばれ、交付税などのマイナスが予想される中で、地方自治体ではなお公共施設の建設が進んでいる。一方では昭和30年代から50年代の高度成長期になって建設された公共施設は老朽化と狭隘化が進み、補修に過重がかかり、さらにはIT化への対応にも追われ、自治体がどこからも補助の望めない単独費の支出増が強いられつつある。それでも士別市の火葬場のように老朽化が著しくなれば、苦しい財政事情の中でも建設は必要となる。行政サービスの向上に公共施設の存在は欠かせないのである。この公共施設を検証して、将来の公共施設像の姿を探っていきたい。

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運営方針に新しい動き


=根づくか、住民の自主性= 幅広い層で協議会を構成
 国道に面し、和寒町のJR和寒駅のそばにある「和寒町交流施設ひだまり」は和寒町で今、最も新しい公共施設である。
 多目的な利用が可能な体験交流施設を目指して、道が中山間地域総合整備事業の一環として建設し、昨年6月にオープンした。
 鉄骨造り平屋建てで、投じた事業費は2億8220万円。
 施運営が注目されている「ひだまり」設の最も大きな特徴は、体験交流室と呼ばれる屋内運動場を備えていることで、床面がダスト舗装(土間)され、季節を問わずにカヌーの製作や軽スポーツが楽しめるようになっている。
 しかし、この施設の最大の最も注目すべき特徴は運営方法にある。
 通常、公共施設は行政主導による運営が普通であり、行政側が企画立案したものに対して、住民が参加していくというスタイルが一般的だ。
 一方、ひだまりで施設運営の中心を担っているのは、主な利用団体で構成する和寒町交流施設運営連絡協議会である。
 つまり、施設の利用者が直接、施設の運営に関わっている。
 予算に関わるものについては町との協議が必要だが、それ以外の活動については運営連絡協議会が責任をもって行っている。
 協議会の加盟団体もカヌー工房運営委員会をはじめ、産直市「恵の市」を運営する夢物語、パークゴルフや野球などの各種軽スポーツの協会、商店街の若者たちでつくる商店研究会、クリーンな農業を目指す農業者団体の地湧の里など、ひじょうに幅広い。
 主に夏はカヌー工房や産直市、冬はスポーツ協会や野球少年団の屋内練習場として活用されていて、このほか利用者自らの企画立案によって、リースの愛好会の展示や講座、玉入れの練習場などとしても活用されている。
 また、日頃の清掃などの管理は常駐する管理人が行っているが、利用者自身が施設の管理に責任を持つため、運営連絡協議会で話し合った結果、施設内のゴミ箱はすべて自発的に撤去した。
 さらに、施設の利用促進や情報提供を図るため、不定期ながら2か月に1度のペースで情報紙「交流広場つなぐ」を発行して全戸に配布し、町民みんなの施設としてPRしている。
 運営連絡協議会では更なる使用の促進を図るため、現在のところ利用が少ない高齢者層も取り込んで、交流の幅をさらに広げていくという。
 また、地理的な条件から、今後は商店街活性化や町の情報発信基地として多面的な機能を発揮できる可能性もあり、将来性も探っている。
 利用者が直接運営に関わることのできる新しいタイプの公共施設として位置づけた町でも、ほぼ理想的な利用者主体の運営がなされていることを高く評価していて、今後の新しい公共施設のあり方を示す施設として今後の発展に大きな期待を寄せている。
(写真=運営が注目されている「ひだまり」)