連載-07 学田スキー場

 厳しい厳しいと叫ばれ、交付税などのマイナスが予想される中で、地方自治体ではなお公共施設の建設が進んでいる。一方では昭和30年代から50年代の高度成長期になって建設された公共施設は老朽化と狭隘化が進み、補修に過重がかかり、さらにはIT化への対応にも追われ、自治体がどこからも補助の望めない単独費の支出増が強いられつつある。それでも士別市の火葬場のように老朽化が著しくなれば、苦しい財政事情の中でも建設は必要となる。行政サービスの向上に公共施設の存在は欠かせないのである。この公共施設を検証して、将来の公共施設像の姿を探っていきたい。

01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14

老朽化進み維持限界に

==市の行革では廃止で見直しの方向=

 命脈握る圧雪車も補修困難

 ここに一枚の写真がある。士別市史に掲載された学田スキー場の写真である。ゲレンデは市民で賑わいを見せている。今から30数年前である。
 そのスキー場が今や士別市の行革大綱の中で「閉鎖を含めてあり方を検討すべき」対象になっている。
 市街地に近いスキー場として親しまれている道北の老舗スキー場。かつては土・日ともなれば、多数のスキーヤーが訪れ、スキー人口の底辺拡大に大きな役割を担ってきた。
 だがその施設も今や閑古鳥が鳴く状態である。
 変化に富み、ダイナミックな滑走を楽しみたいスキーヤーには、この小規模なゲレンデはあまりにも貧相だ。しかも最近では少子化やスキー人口の急激な減少が拍車をかけ、利用実人員は平日10人程度、土・日でも70人。小・中学生のスキー授業と初心者のボードの練習場として、かろうじてスキー場として面目を保っている状況である。
 最近ではその付帯施設に老朽化の問題も立ちはだかり始めた。ヒュッテ、圧雪・雪上車、簡易リフト(ロープトウ)と、スキー場を運営するのに欠かせない施設が次々と古くなり、まもなく、使用することが不可になるのでは、と危惧されている。
 新しく更新しようとすれば、ヒュッテでも最低2000万円は必要となる。リフトも巨額の投資となる。圧雪車も新規に導入すれば、2000万円は下らない。その他にも運営費(現在、スキー場は士別市体育協会に運営を委託している。その年間経費は約500万円)も必要である。
 これらの施設がまもなく寿命を迎えようとしているのである。
 日向スキー場ですら、ピーク時にはのべ50万人もの利用があったのに、今では20万人そこそこである。学田スキー場とて例外ではない。今後も利用者は減少の一途をたどっていく。
 ゲレンデとしてはあまりにも規模が小さく、魅力にも欠ける。そのような施設に何千万円もかけて、ヒュッテや圧雪車を新しくする意義はあるのか。
 財源難に苦しむ自治体は、これからますます効率的な行政運営が求められる。ましてや士別市のような小さな自治体に同一施設がふたつも必要なのか、との論議も出てくるだろう。
 「今シーズンが最後では」と言われ続け、いつ壊れてもおかしくない圧雪車。これがなければゲレンデの整備は不可である。整備のできないゲレンデの滑走面は、ケガの危険度も高い。
 スキー場の命脈を握る圧雪車。この圧雪車を導入し、施設を維持すべきか。それとも更新を見送り、施設を廃止すべきなのか。
 学田スキー場には今、この分岐点が迫っているのである。
(写真=老朽化が進み利用者も減少している学田スキー場)