連載-08 士別市廃棄物最終処分場

 厳しい厳しいと叫ばれ、交付税などのマイナスが予想される中で、地方自治体ではなお公共施設の建設が進んでいる。一方では昭和30年代から50年代の高度成長期になって建設された公共施設は老朽化と狭隘化が進み、補修に過重がかかり、さらにはIT化への対応にも追われ、自治体がどこからも補助の望めない単独費の支出増が強いられつつある。それでも士別市の火葬場のように老朽化が著しくなれば、苦しい財政事情の中でも建設は必要となる。行政サービスの向上に公共施設の存在は欠かせないのである。この公共施設を検証して、将来の公共施設像の姿を探っていきたい。

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市民の取組みが命運握る

==処分重ねるごとに期限近づく=

 新施設建設には巨費必要

 

 毎日の生活で、必ずと言っていいほど排出されるのが「ゴミ」である。
 士別市内で市民から排出されたゴミを処理しているのが、この最終処分場だ。
 毎日埋立処理されている最終処分場  現在の最終処分場は83年に建設され、そこで市民から排出されたゴミを埋め立て処理している。
 処分場の面積は27万1000平方メートルあり、そのうち予定埋立面積は5万3000平方メートル。容量は31万3000立方メートルとなっている。
 建設当初は、10年から13年程度が処分場の「寿命」とされていた。
 00年度からの容器包装リサイクル法の完全実施により、士別市では徹底した資源ゴミの分別収集を行っているが、これが行われる以前は、年間約1万2000トンものゴミが埋め立てられていた。
 資源ゴミの分別収集によって、現在の埋立処理量は8000トンほどにまで減少してきている。
 これまでは最終処分場の予定使用期限が07年度までとされていたが、可能な限りのリサイクルでその寿命も数年先に延びる可能性が出てきている。
 とは言っても、永久に現在の施設を使用できるわけではない。
 いずれは現在の最終処分場も利用できなくなるのだが、仮に今の規模の最終処分場を新たに建設しようとすれば、その費用は汚水処理施設などを備えた管理型で40〜45億円ほどの巨費が必要とされる。
 市環境生活課の担当者は「補助があるにせよ、今の財政事情を考えると、これほどの施設の建設はとうてい無理」と言う。
 そこで求められているのが、リサイクルの徹底である。
 いまは空き缶や空きビン、ペットボトル、プラスチック製容器、紙製包装容器などを分別収集しているが、03年度には容量のかさばる粗大ゴミも埋め立て処理から外すことになる。
 さらに、埋立処理量の3割ほどを占める生ゴミの分別収集も検討しており、これが実現すれば、埋立処理量は格段に減少することになる。
 「最終処分場の延命だけでなく、リサイクルを徹底し処理量を減少させることで、新たな処分場の建設を迎えたときでも、規模の小さな施設ですむことになる。そうすれば建設にかかる費用も少なくてすむ」(環境生活課)と言う。
 市民から排出されるゴミを処理することで、塵芥処理費として約1億円、最終処分場管理費として約4300万円もの費用がかけられている。
 全国的にはゴミ処理も有料化し、処理にかかる費用を受益者負担としようとする流れになってきている。
 ひしひしと寿命が近づいてきている現在の最終処分場。
 資源化の品目が増えるような新技術の登場も期待されるが、今のところ最終処分場の命運は、リサイクルに取り組む市民が握っていると言えそう。
 (写真説明) 毎日埋立処理されている最終処分場