連載-10 士別市青少年会館

 厳しい厳しいと叫ばれ、交付税などのマイナスが予想される中で、地方自治体ではなお公共施設の建設が進んでいる。一方では昭和30年代から50年代の高度成長期になって建設された公共施設は老朽化と狭隘化が進み、補修に過重がかかり、さらにはIT化への対応にも追われ、自治体がどこからも補助の望めない単独費の支出増が強いられつつある。それでも士別市の火葬場のように老朽化が著しくなれば、苦しい財政事情の中でも建設は必要となる。行政サービスの向上に公共施設の存在は欠かせないのである。この公共施設を検証して、将来の公共施設像の姿を探っていきたい。

01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14

利用調整に欠かせぬ施設

=利用者数、年間1万人以上で定着=

 室内スポーツ用では先駆け

 

 青少年会館といってもすぐにその施設内容を理解できる人は少ないかもしれない。
 スポーツを楽しむ人にはよく知られてはいるものの、その施設の機能とか内容については一般にはあまり知られていないからである。「選挙の時に投票所になるところだろう」と言う人も。
 この施設、昭和47年1月に図書館の東側に隣接された開設されたスポーツ施設である。面積約40平方b。バレーボールやバドミントン、卓球、トランポリンなどのスポーツを行うことができる。
 実は士別利用団体が定着している青少年会館市内ではいち早く設置された室内スポーツ施設だった。
 まだ学校開放という考え方はなく、士別市が何とか欲しいと望んでいた室内競技施設の先駆け的な存在だったのである。
 同施設にはスポーツを楽しむ他に、社会教育係が一時事務室に間借りしたり、談話室を設けて勤労青少年のサークル活動の場として使われたこともあった。
 ところが室内競技施設としては、その狭さからスポーツ振興という意味では限界があった。
 2年後には早くも東側に本格的な総合体育館が完成することになったのである。
 同施設の設置によって、青少年会館の役割は大きく変わっていく。室内競技施設の主流は体育館に代わり、青少年会館はその補佐施設的な役割を果たしていくことになる。
 事務室を撤去し、正面玄関を封鎖。出入り口を総合体育館に一本化し、現在は体育館との有機的な連携施設となっている。
 利用団体はミニバレーや合気道、少林寺拳法、トランポリン、卓球など。
 ここ数年ののべ利用者は約1万4千人前後で定着している。
 施設そのものの規模が大きいわけではないので、「維持補修にはそれほどの経費はかかっていません」(市教委)という。
 地味だが、この施設、スポーツ団体や市にとっても今のところ欠かせぬ施設である。
 スポーツ団体は毎年春に体育館や学校、勤労者センターなどの利用場所について調整を行う。かなりの数の団体が、どこを利用するかでせめぎ合う。
 青少年会館が存在することで、団体を振り分けることができ、調整がしやすくなるというものだ。
 室内スポーツ施設としては今や市内でもっとも規模が小さく、年数も経ているが、その役割はまだまだ重い。
(写真=利用団体が定着している青少年会館)