連載-11 士別市ランニングコース

 厳しい厳しいと叫ばれ、交付税などのマイナスが予想される中で、地方自治体ではなお公共施設の建設が進んでいる。一方では昭和30年代から50年代の高度成長期になって建設された公共施設は老朽化と狭隘化が進み、補修に過重がかかり、さらにはIT化への対応にも追われ、自治体がどこからも補助の望めない単独費の支出増が強いられつつある。それでも士別市の火葬場のように老朽化が著しくなれば、苦しい財政事情の中でも建設は必要となる。行政サービスの向上に公共施設の存在は欠かせないのである。この公共施設を検証して、将来の公共施設像の姿を探っていきたい。

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合宿の里では当たり前に

=20年経過し大規模改修=

 練習用でも設置は最低条件

 

 市民のジョギングやクロスカントリー大会、市内で合宿を行う陸上選手らの練習場所として賑わいを見せる士別市グリーンスポーツ施設。この中の代表的な施設が通称「オガクズ(ウッドチップ)入りランニングコース」。今や合宿には欠かせぬ必須施設だ。
 この施設が市内に誕生したのは、昭和57年(1982年)。今から20年も前の話である。士別市が合宿の里として、本格的に陸上選手らの受け入れを開始しようとしていた頃である。
 コースは約1・5キロと2キロのふたつ。表面は砕石の上にオガクズと乳剤で固められている。
 陸上選手らにとって、この表面は適度な柔らかさがあり、膝を痛めないため、練習に向いており、評判は良い。さらに木立に囲まれた自然環境の心理的効用も大きい。
 オープン当初はそれほど全国的には普及していず、士別市の施設が注目された。
 だが今や「合宿の里を標榜する自治体には、この施設は最低条件ですね」(市教委関係者)という。
 合宿の里には宿泊環境とともに安全に長距離を走るコースや、こういった練習用のコースも欠かせなくなっているのである。
 現在では道内では深川市や千歳市、七飯町などにあり、本州でも熊本や長野など合宿での街づくりに取り組んでいる自治体には立派な施設がある。
 他の自治体での整備が進むなか、士別市でも現況では遅れをとるとして、昨年と今年の2ヵ年で2カ所の急勾配を解消し、新設区間を設けるほか、走行中のショックを和らげるための特殊舗装仕上げの大規模改修に取り組んでいる。
 市では今回の改修で、当面、施設の維持補修は必要ないとしている。
 とはいえ合宿の里の老舗である士別市としては、他自治体の動向は気になるところ。
 他ではまだまだスポーツ用の付帯施設のような位置づけ的傾向が強いので、士別市とて見劣りはしていないものの、本格的にこの種の施設建設に取り組まれたら、合宿生はたちまちそこに流れてしまう。
 この施設、地味ながらも利用者の要望を反映させ、不具合があれば常に補改修が必要な施設ともいえるのである。
(写真=走りやすい環境を目指し改修を進めているランニングコース)