連載-13 市民文化センター:士別市

 厳しい厳しいと叫ばれ、交付税などのマイナスが予想される中で、地方自治体ではなお公共施設の建設が進んでいる。一方では昭和30年代から50年代の高度成長期になって建設された公共施設は老朽化と狭隘化が進み、補修に過重がかかり、さらにはIT化への対応にも追われ、自治体がどこからも補助の望めない単独費の支出増が強いられつつある。それでも士別市の火葬場のように老朽化が著しくなれば、苦しい財政事情の中でも建設は必要となる。行政サービスの向上に公共施設の存在は欠かせないのである。この公共施設を検証して、将来の公共施設像の姿を探っていきたい。

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市民の学習活動支える

==利用増えれば調整機能重要に=

 公民館事業の拠点的役割も

 

  士別市民の文化活動の拠点となっている市民文化センター。
 当時の市民会館が老朽化と狭隘が著しく、さらに市民の文化的な活動の場があまりなかったことから、市民会館を増改築。約15億1800万円をかけて96年9月に現在の市民文化センターが完成した。
 市民文化センターには、725人を収容できる大ホール、定員265人の小ホールをはじめ、会議室、視聴覚室、研修室、音楽室、工芸室、和室など、展示ホールを含めて21の部屋がある。
 大生涯学習活動の拠点となっている市民文化センター小のホールは、各種の公演や演奏会、講演会などに活用され、そのほかの部屋は会議や市内の各種文化団体・サークルなどの活動拠点となっている。
 市民文化センターがオープンしてから、昨年度末までの延べ利用者は約78万人。年平均で11〜12万人がこの施設を利用していることになる。
 市民文化センターができる以前は、それぞれの団体やサークルの活動は、数少ない公共施設に頼るか、会員の自宅に集まるなどして活動を行っており、その拠点探しにかなり苦労していた。
 年間利用者の7割以上が、市内で生涯学習活動を行っている団体やサークルで、そうして意味ではこの施設が、市民の活発な学習活動を支えていると言える。
 また、この施設の事務室には市の中央公民館が入っており、公民館事業を展開していくうえでも市民文化センターが重要な役割を担っている。
 高齢者学級の九十九大学をはじめ、初心者パソコン講座、さらには中央公民館が市民の文化活動を支援するマイプラン・マイスタディ事業の多くも、市民文化センターが会場として使われている。
 こうした公民館事業を通して、新たなサークルなどが誕生するケースも多い。
 市民文化センター館長を兼務する中央公民館の稲沢要館長は「公民館自体には、事業を展開していくための専用の拠点はないが、市民文化センターと公民館が併設していることで、スムーズな事業展開を図ることができる」と話している。
 ただ、年間を通した全館の稼働率は7〜8割。リハーサル室や音楽室、会議室などは稼働率が100%を超している部屋もあり、最近では利用調整を行わなければならない状況も度々ある。
 公民館事業などを通して、新たな市民サークルや団体が今後もできていくことになれば、市民活動を支援していきながらも、これまで以上に調整機能を発揮していくことが求められるだろう。
 生涯学習活動は多種多彩。過疎が進行しながらも、市民の文化的・社会的活動は活発になっており、それが地域の活力にもつながっている。
 市民の様々な活動を支えていくためにも、市民文化センターが利用者にとって常に「使い勝手の良い施設」であることが、今後もさらに望まれることだろう。
(写真= 生涯学習活動の拠点となっている市民文化センター)