連載-14 つくも水郷公園

 厳しい厳しいと叫ばれ、交付税などのマイナスが予想される中で、地方自治体ではなお公共施設の建設が進んでいる。一方では昭和30年代から50年代の高度成長期になって建設された公共施設は老朽化と狭隘化が進み、補修に過重がかかり、さらにはIT化への対応にも追われ、自治体がどこからも補助の望めない単独費の支出増が強いられつつある。それでも士別市の火葬場のように老朽化が著しくなれば、苦しい財政事情の中でも建設は必要となる。行政サービスの向上に公共施設の存在は欠かせないのである。この公共施設を検証して、将来の公共施設像の姿を探っていきたい。

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市民に定着した憩いの場

=周辺環境も含め特有のゾーンに=

 道北でも屈指の都市公園

 

  士別市民に親しまれている都市公園「つくも水郷公園」。その広さは約21ヘクタール。東京ドームの約4倍の広さだ。
 天塩川の河川切り替えとともに、昭和42年から10年計画で造成が行われた。この間、投じられた工費は約3億8500万円。
 市街地から東北に約2キロ。街の中心地から徒歩で行ける距離で、ボートやゴーカート、キャンプ場、野球場、日本庭園、ミニアスレチック、パークゴルフ場などのある大型公園は、和寒以北ではほとんどない。
 夏場になれば、市民の憩いの場所として、家族連れを含め、多くの人々が訪れる。
 さらに公園内にはつくも青少年の家、サイクリングターミナルといった宿泊研修施設も存在し、緑に囲まれた落ち着いた雰囲気が来訪者にも好評だ。市外から来た人をここに連れていくと、「街のすぐそばにあり、広くて気分がいい」との印象もよく聞かれる。
 今や市民には当たり前のように存在している公園だが、現在、これだけの施設を備えた規模の公園を造成しようと思えば、「4億円ではとうてい無理。そんな発想が生まれても、地方自治体から国までのこの厳しい財政事情の中で、完全実施の段階まで持っていけるかどうか疑問」(市関係者)という。
 実数はつかめないものの、市ではこの公園に付帯施設も含めると年間で延べ10万人程度は訪れるのではと見ている。
 その公園の周辺にはさらにサッカー場、グラウンド、テニスコートなど河川敷地を活用した、公園の空間が広がっている。
 また近辺には農業関連施設も集約し、まもなく天塩川流域では唯一の本格的な防災センターも建設される。
 ここは住宅は民間事業所が増えていく市街地南側の商工業地域とは対照的な顔を見せる地域にもなって、ひとつのエリアを形成している。
 士別市ではそれほど話題にならない地域だが、こうして検証してみると、市内では公園、スポーツ、農業施設の集約した特有地域であることがわかる。
(写真=夏には市民でにぎわう「つくも水郷公園」)
(今回で連載は終了です)