3―地域における役割 01―これまでの経過
02―スケールメリット

03―地域における役割
04―新JA経営計画
05―丹会長に聞く 1
06―丹会長に聞く 2
 道内では、農協合併の動きが急速に進んできている。道北地方でも先日、美深町と下川町、中川町の3農協が合併し「北はるか農協」が誕生したばかり。1市3町の5農協でもすでに合併推進委員会を立ち上げ、来年2月の合併実行に向けて準備が進んでいる。この地域の基幹産業は、言わずと知れた農業であり、農家と農協の関わり、さらには地域と農協の関わりはかなり深い。そこで、この地域における農協合併の意義や今後について、シリーズでその姿を探っていきたい。(この企画は6回連載します)
組合員が「主役」の自覚を

           ―福祉事業などで地域貢献も
 道農政部が調べた市町村別農業構造動向推計によると、2015年の1市3町の農業人口は3775人と推計している。
 これは、00年に行われた国勢調査に比べると、実に52・9%の減少となる。
 農家戸数にしても1049戸で、00年比では49・4%の減少となる。
 その一方で、1戸あたりの経営面積は、00年が13.15ヘクタールなのに対して、2015年では26.3ヘクタールとなり、農家戸数が減少する分、1戸あたりの経営面積は大幅に増えることになる。
 農家が農産物の栽培に専念できる理由の一つとして、収穫した農産物を農協が引き取り、それを販売してくれる体制が整っているからである。
 農産物の栽培・管理、さらには集出荷後の販売を、農家自らが行っているケースもあるが、その数はごく稀。
 多くの農家は、農産物の販売を農協などに委ねているのが現状となっている。
 ましてや将来的に農家戸数が減少し、経営面積が拡大してくれば、農家も生産活動に専念せざるを得ない状況を生みだすことも考えられ、農家と農協の関わりはより強固なものとなるだろう。
 ただ、この地域の農協は総合農協であるが故に、農産物の販売、信用事業、購買など、農家経営に関わる大部分を農協に任せてしまうことができる。
 そのため、農協運営に積極的に関わろうとせず、すべての方針を農協やその職員に依存してしまい「農協が何とかしてくれる」のような意識を持つ組合員が多くなってきているのではないか。
 合併によって組織が大型化すれば、農協と組合員との関係が希薄になりかねないとの懸念もある。
 こうした懸念を払拭するためにも、組合員自身が主役としての自覚を持たなければならないだろう。
 5農協が目指す合併は、自治体の枠を超えた合併である。
 1市3町が行う農業政策はすべてが同一ではない。
 合併後は、新農協の同じ組合員でありながら、補助事業などで地域によって異なるケースもでてくる。
 そこで1市3町と5農協では、地域農業振興連絡会を設置して、実務者レベルでの情報交換や課題についての協議を行いながら、連携の強化を図っているところだ。
 南宗谷線JA合併推進委員会でも、基幹産業である農業の一部分を農協が担っているとの認識に立ち、高齢者対策などを柱に福祉事業などにも積極的に取り組み、地域貢献を果たしていこうと考えている。
 また、合併によって過疎を招くことがないよう、人員配置にも充分な配慮をしていきたいとしている。
 「産業としての地域農業の将来像」を描くため、新農協が今後どのような役割を果たしてかが、注目される。