図書館が変わる ― 1

 士別市生涯学習センター「いぶき」 7月1日オープン
vol.2 検索方法
vol.3 ベビーカーで
vol.4 開架書庫
vol.5 時間を延長
vol.6 ボランティア

余裕空間は道内屈指

市民が憩える施設にも

 士別市生涯学習情報センター「いぶき」が7月1日にオープンする。旧西條店舗改修総工費約7億500万円。これに図書館機能の備品整備費などを含めると約9億円。
 
もし士別市クラスの単独図書館を建設すれば、10数億は下らないだろう。これに比べれば、格安とはいえる。ただし、この図書館、道内屈指の余裕空間を持っている施設である。

  従来の手狭で老朽化、手作業で行われていた前近代的とも評されていた図書館の約3倍の広さを持った新しいインターネット時代の図書館はどのように違うのか。シリーズで探っていく。
 
 無償で叶シ條から譲り受けたこの施設、地上3階、地下1階で面積は6717・22平方メートルである。これを構造補強のほか、内部を解体しての間仕切り、内装・外装、設備・機械の更新などをして、使えるようにした。

 なによりもこの施設を特徴づけているのが、中央に設けたトップライトが、3階から地下まで吹き抜けとして明かりとりとなっており、その吹き抜けに沿ってガラス張りのエレベーターが設けられていることである。
 
バブル期からこれまでに雨後のタケノコのように建設された図書館は、いずれも低書架の中で多くの本を詰め込みながら建設コストを抑えるという経費節約型が多く、書架間や本や雑誌、新聞などの閲覧空間が狭くなりがちだった。

 ところが「いぶき」は前述の吹き抜けをにとどまらず、書架間の間が1b以上ある。人が触れあうことなくすれ違える。背後の人のことを考慮しなくてすむ。実はこのように書架間に余裕のある図書館は少なく、ほとんどは身をすくめてすれ違うのが実態である。

 書架の高さにも工夫を凝らし、目線の位置から手を伸ばして本を取り出せるようにもなった。さらに児童書では平置きして表紙そのものから本を見ることができる配慮を施した。これなども空間の余裕がなければ難しい。

 蔵書数も大幅に増える。

 現在の開架冊数は約6万冊あるが、移転後の新図書館では郷土資料、雑誌、視聴覚資料なども含め8万冊の開架冊数でスタートさせたい考え。蔵書能力は10万冊以上を誇っており、満度に書架が埋まれば来館者にとっても選本の楽しみが増える。

 この他、1階部分のゆったりとした閲覧コーナーは南向きの窓から明るい自然光の取り入れ、新聞や雑誌を見ることのできる広々としたブラウジングコーナー、インターパソコン、オーディオビジュアル鑑賞コーナーなどを新設した。

 全体的には他の図書館と大きな違いはないのだが、余裕空間は他の図書館に比して突出している。図書(情報)入手、貸し出しといった図書館本来の機能とともに新しい市民の憩いの施設が誕生したともいえるだろう。
 (次回は貸出方法、検索、インターネット活用の予定です)
 (写真=書架間に余裕があるので、人の往来が気にならない)