図書館が変わる ― 3

 士別市生涯学習センター「いぶき」 7月1日オープン
vol.2 検索方法
vol.3 ベビーカーで
vol.4 開架書庫
vol.5 時間を延長
vol.6 ボランティア

ベビーカーで行ける施設に

心と視野にゆとりを

●今や親子が身近に利用できるのが必須

 都市部では近くに図書館のあることが住みよいまちの条件のひとつになっている。特に若いお母さんには図書館と子どもを預けることのできる保育所が重要である。
 お母さんたち子どもたちに絵本を読ませたり、自身も子育てに関する参考本などを手にして、子育てへの不安や悩みを少しでも軽減したい思う。
 そんなニーズに素早く応じることのできる図書館は、快適なまちづくりには欠かせぬ要件なのである。
 では「いぶき」の新図書館はそんな要件を満たしているのだろうか。
 まずこの図書館が大きく変わったのは、ベビーカーに赤ちゃんを乗せて、どこにでも移動できることである。
 旧図書館では児童閲覧室に行くにはベビーカーをたたみ、赤ちゃんを背負って階段を上らなければならなかった。これはエレベーターの利用で解消できる。「ベビーカーでも行ける図書館」に生まれ変わったのである。

●読み聞かせ室に託児室併設

 お次は読み聞かせ室(=写真)。旧図書館では研修室と兼用だったが、新館では専用スペースを確保。赤ちゃん絵本から子育て資料まで、それこそベビーカーを押しながらそこまで行くことができるのである。
 さらにこれだけの広さの読み聞かせ室を確保している図書館は全道的にも珍しい。畳21枚分である。通常の読み聞かせ室といえば6畳程度がほとんど。ここの施設がいかに広いかがわかっていただけると思う。
 床もアトピーへの対策を考慮して、カーペットではなくフローリングにした。
 またこの読み聞かせ室に隣接して託児室を配した図書館も珍しい。通常は使わないが、多目的施設や音楽会などの利用の時には、保育士を確保すれば託児室を使うことが可能となる。
 
●心にゆとりのもてる施設に変身

 さて図書館の本筋は閲覧室だが、これも絵本の平置台を多用し、100冊程度は表紙を見ながらながら、絵本の中身を知ることができる。背表紙を見て本棚から取り出す手間が省ける。これも使いやすい児童書閲覧のサービス向上といえようか。
 道内でもいち早くブックスタート事業に取り組んだ士別。親子による読み聞かせへの関心が高まっていく中で、新図書館の児童図書コーナーの役割はますます高まっていきそうだ。 
 この他、施設面でも学習室、サークル活動室、研修室、情報処理室、ボランティア活動室、多目的スペースと充実。低い視線で見渡せる館内全体の落ち着いた雰囲気と合わせて、本を通した親子の心の交感の場ともなるのではと期待は大きい。
 図書館は器ではなく中身だとよく言われる。新図書館が心にゆとりを持って使える施設に変身しえたかどうか、一度は市民がそこに足を踏み込んで確かめてみてはと思う。