膝の水を抜くとクセになるってホント? -3
士別市立病院診療部長 濱田修医師(整形外科)
膝(ひざ)に水がたまると腫れて重苦しくなり、曲がりにくくなります。そのような場合「水を抜くと膝が楽になりますよ」とすすめることが多いのですが、必ずと言っていいほど「水を抜くとクセになりませんか?」と聞かれます。
膝の水(関節液)は、抜くからたまるのではありません。関節の中に水がたまる原因があるからたまるのです。たとえば、風邪をひくと鼻水が出ます。鼻をかんでもまた鼻水が出ますが、「鼻をかんだらクセになるから、鼻をかまないほうがよい」と思う人はいないでしょう。それと同じです。膝のケガや病気は治りづらいことが多いので、「クセになった」と感じやすいのです。
膝に水がたまったら必ず抜かなければならないわけではありません。たまった水が少量ならば自然に減って無くなることがあります。ただし、膝にたまった水の量が多いと、自然になくなるには何週間もかかりますので、そのようなときにはたまった水を抜いたほうが早く楽になります。水をぬいた後は、ほとんどの患者さんが「膝が軽くなって歩きやすい」と感じるようです。
膝に水がたまる原因にはいろいろあります。若い人の膝に水がたまる原因として多いのは、膝のケガまたは激しいスポーツによって起こる靭帯(じんたい)や半月版の損傷です。我慢してスポーツを続けると悪化させる場合がありますので、ただ水を抜くだけではなく、詳しい検査が必要です。
中高年の方々では変形性関節症(膝の関節軟骨がすり減って骨の変形が起こること)が原因として多くなってきます。そのほか、関節リウマチなどの関節炎で水がたまる場合もあります。たまった水を抜いて調べることによりどのような病気かわかります。
水を抜くと同時に、炎症をおさえる薬を入れて水がたまりづらくすることも可能ですので
、治療法については担当の医師にご相談ください。
次回は中高年の膝痛の原因であり、水がたまることも多い「変形性膝関節症」についてお話します。
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