2008年
道北日報
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『栄養サポートチーム(NST)』って何
                
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士別市立病院診副院長 澤谷令兒医師(外科)

  戦争が終わって27年も経つ昭和47年、グアム島で横井庄一元伍長が発見されました。「恥ずかしながら生きて帰ってまいりました」の言葉を覚えている方も多いと思います。

 しかし、横井さんが二人の部下とジャングルの奥深くで潜んでいたのを、知る人はあまりいません。食事に関する意見の違いから、別行動をとることになったそうです。

  他の二人は捕ったエビなどを計画的に残して食べていたのですが、食あたりなどの下痢によって体力を消耗し、早めに亡くなってしまいました。
それに対して横井さんは、食糧をその場で残さず全部食べてしまうのですが、健康のまま生き残りました。食に対する考え方の違いが、生死を分けたともいえます。

 和寒を通ると、国道沿いに「医食同源」という看板が目に入ります。大辞林では「病気の治療も普段の食事もともに人間の生命を養い健康を維持するためのもので、その源は同じであるとする考え方。中国で古くから言われる」とあります。

 「NST」という用語があります。英語の「栄養サポートチーム」の頭文字です。元々は1970年にアメリカで発祥したものですが、医食同源と根本的には同じと考えています。

 栄養状態のよくない入院患者さんは「回復が遅い」「合併症を併発しやすい」「死亡率が高い」ことなどがわかっています。
 栄養管理は患者さんのコンディションを整えるだけでなく、生命を左右する重要な治療なのです。栄養管理こそが、すべての医療の基本と言えます。

 そこでNSTとは、医師、看護師、栄養士、薬剤師、検査技師、作業療法士などの専門職のメンバーが力を合わせて、患者さんに適切な栄養管理を行うチームのことなのです。特別な診療科や、外来があるわけではありません。チームで回診や検討会を行って、個々の患者さんに適した栄養法を主治医などに助言するものです。

 市立病院でも、NSTが活動しすでに2年になります。地道な取り組みですが、食事のちょっとした工夫によって患者さんからは「食欲がわいてきました」など、好評を博しています。

次回は実際の栄養管理法についてお話しします。