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遊び心でマチ興し( 1993年 03月 )
           
道新パンプキン投稿
 
佐々木隆博 


 
先日しばらくぶりに「コンサート」に出かけた。伊藤多喜男のライブである。会場は立ち見が出る程の盛況で、彼の熱唱と、少し訛りのある軽妙なトークで、会場とステージが一体となって、久し振りの感動を味わって帰ってきた。
 
主催したのは「夜咲恋そぅらんサムライ士別」昨年発足したばかりのグループである。彼らも又、故郷に新しい感動を起こした。
特に組織慣れした人がいる訳でもないが、若い情熱をぶつける場として結集され、札幌の「YOSAKOIソーラン祭り」に出場しようとの目的を持ったところから、皆の思いが固まったのではないかと想像する。その経験が又、地域のイベントの主役になってしまった。
 十年くらい前には、御輿を担ぐ「小僧会」というグループができ、今も全道各地とネットワークして頑張っている天塩川祭りの川舟御輿と相まって、今や近隣にたくさんの御輿グループができている。
 更にその数年前には、マチ興しのリーダー的存在である「サフォーク」がある。全道の中でも先駆者と言えるのではないだろうか。彼らの活動の影響と言って過言ではないだろうが、市内の各地にこうしたグループができている。「上士別きずこう会」「多寄夢創会」「温根別まちづくりの会」や、農村の祭りグループ、その他にも文化グループなどもある。
 こうしたグループを支えているのは、いずれも若い人(発足当時?)が中心になって創られてきたということである。そして彼らは初めからマチ興しなど(勿論そういう人もいたとは思うが)と考えていた訳ではなく、若い情熱をぶつける「何か」が欲しかった。いわゆる「遊びの心」ではなかったかと思う。
 遊びで飯が食えるかといわれるかもしれないが、日本は今、大転換期といわれている。産業発展をひたすら願い、まっすぐ前だけ見て突き進んできたが、その殆どが、制度疲労を起こしている。「遊び」が新しい活力の一つになる時代だと思う。因みに「観光」は「リ・ゾート(気分)」「余暇」は「リ・クリェーション(創造)」という意味で、「休む」ことは「リ・フレッシュ(一新)」であり、健康産業としても注目されている分野である。
 「遊びの心」は、既存(今まで)のマニュアル(手引き)に頼らないことから始まると思う。伊藤多喜男の人気は、民謡とロックとを結びつけるというマニュアルにないことに挑戦したことにあるのではないだろうか……。
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