「時」を創る( 1998年 01月 )
 
佐々木隆博 


【「時」の限界】
 昨年、北海道が提唱した、「時のアセス」が、流行語として表彰されました。時の経過とともに、役割や効果が低下した施策について、“時”を尺度に見直そうという者です。国の事業見直しを始め各地の自治体でも々考えが取り入れられようとしています。
 一方で、昨年の世相人文字は「倒」です。国の行財政改革における省庁再編で、戦後北海道の開発をリードしてきた北海道開発庁が統廃合されることとなりました。そして暮れには北海道開拓の歴史と共に歩んできた北海道拓殖銀行が破綻、営業譲渡という事態に至りました。開発や拓殖のみでなく、今あらゆる分野で制度・仕組みの限界に直面し、大きな転換と改革の“時”を迎えています。
【転換の「時」】
 こうした転換期は、大きな痛みを伴います。しかし“時”を逆戻しする事はできません。行政も財政も経済も金融も、硬直化や閉鎖性、非効率政が今厳しく問われています。それは住民(市民)と、組織の間に、考え方(求めるモノ)に乖離ができたためではないかと思います。
 モノの豊かさをひたすら追い求めてきた時代は、必要以上の競争(バブル)を生んでしまいました。もう少しゆっくりとした、しかも確実な成長を人々は求めはじめています。

【「時」を創る】
 本年北海道の新しい長期計画がスタートします。基本は北海道の“特性”と“潜在力”の発掘、つまり国への依存から脱却した北海道らしさ(個性)を創っていこうというのが、これからの北海道のテーマだと考えました。
 それは同時に私たちのライフスタイルのテーマでもあると思います。会社から地域へ、組織から個人への時代といわれていますが、私たちは自らの人生をどう描くのかを考える時代を迎えています。行政の改革、金融の改革は、個人の判断責任、自己責任も求められます。

【「時」を越えて】
 “個性”と“自己責任”これが21世紀のキーワードと考えます。それは本来“時”を越えて大切にされなければならないものではないかと思います。
 昨年は各地の中学校や農民連盟をはじめ、いろいろな団体が50周年、40周年など節目の時を迎えました。これは、戦後の制度改革や新しい生活を創ろうとした動きの歴史です。
 半世紀の歴史を経て、大変革時代(ビックバン)を迎えるのは当然なのかもしれません。今こそ先人の知恵に学び、みんなで新しい時代を創っていかなければならないと考えます。

 『鳥は羽根があるから 飛べるのではなく
  飛びたいと思ったから 羽根が生えたのです』
  (1998年 元旦)

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